プロローグ (1) (2)

第一章 人生の終わり
(1)2013年2月25日 早朝
(2)夢の中で・・・
(3)朝起きると死んでいました。
(4)死神?
(5)死んでも死なない?
(6)葬式の日
(7)生まれ変わっても一緒になりましょう

第二章 本当の終活
(1)神様って本当にいるの?

第二章 本当の終活

2 運命の地図

 

「では、まずは、あなたの運命の地図を確認してみましょう。

運命の地図には、あなたのこの人生での全てがあります。

つまりは、命の約束ですね。

人生を振り返る前に、この命の約束についても少しお話ししておく必要があります。」

「運命の地図? 命の約束?

そんなものがあるっていうことは、

やっぱり、全てが生まれてくる前に決まっているのね。」

「うーん・・・全てが決まっているといえばうそになります。

決まっているようで決まっていない。

だけど、決まっていないようで、決まっている。」

「どういうこと?」

「運命の地図は、一枚じゃないっていうことです。

一枚だけだったら、その人生しかないでしょ?

ということは、生まれて死ぬまで決められたレールを生きなきゃならない。

いくら自分が生まれる前に決めてきたことだからといっても、それってつまらないですよね。」

「ええ、まあ。全部決まってると思ったら、何だか、やる気無くなるよね。」

「確かに変えられないこともありますよ。宿命っていうんですけど。

それは後で話すとして、人生は自由に選べるんです。

生きている時も。そして死んでからも。」

「え?!死んでからも?!」

「そうですよ。これから話すことは、とても大切なことだから、

分からなくなったら、途中で止めてちゃんと質問して下さいね。」

「うん、わかった」

「運命の地図はですね、一枚じゃないって、さっき言いましたよね。実はね、これだけあるんです。」

そう言ってレイは、目を閉じてゆっくり手を合わせ、そしてその手をゆっくりと開いた。

するとそこに眩しい光を放ちながら、薄い衣のような紙が現れた。

一枚、二枚、三枚…どんどんでてくる。

そして、何百枚もの地図がレイの手のひらの上に山積みになったのだ。

 

「な、なんなの?この地図の山は!」

手のひらに乗せた地図の山からひょっこり顔を出して、レイが言った。

「これがあなたの運命の地図です。

本当はもっとたくさんあったのですが、今のあなたに関わる地図だけ用意しました。」

「こんなにたくさん?!」

「そう、こんなにたくさんの運命の地図があるんです。

だから、あなたの人生は、決まっているようで、決まっていないのです。

僕たちは、あなたのこのたくさんの運命の地図にある

それぞれの世界を『パラレルワールド』と呼んでいます。」

私は開いた口が塞がらなかった。

「びっくりしますよね。

膨大なデータなので、普段は量子化されていましてペーパーレスなんですけど、

人生の振り返りツアーでは、分かりやすく説明するために

特殊な紙にプリントアウトするのです。」

「あ、そう。量子化されてるんだね。(量子ってなんだ?ま、いっか。)」

「はい。では、これを見てください。」

レイは、そう言って、おもむろに一枚の地図を取り出し、他の地図を右側の「空中」に置いた。

 

私は、レイの横からその地図を覗き込んだ。

その地図を見てびっくり!!

地図は半透明で美しく光っていたけど、それよりもびっくりしたのは、人が立っていたことだ。

地図の左下にスタート地点があり、両親が立っていた。そして、その間に、赤ん坊の私がいた。

道は、右上に向かって伸びていて、ところどころ分かれ道があり、

行き止まりになっていたり、回り道になったりしていた。

右上には、死ぬ間際の自分とその自分の死に立ち会う人たちが立っていたのだ。

 

「この地図は、3次元の世界です。ここに、時間が流れて4次元になります。

時間は、左下から右上に向かって流れています。

あなたが肉体を持っている時は、この地図の上にいるので、

物理的に時間を戻すということはできません。

でも、今は肉体がなく、5次元の世界から人生を眺めることができます。

5次元のこの世界では、時間の流れは関係ありません。」

「見てください。こうしてこの地図を見ると、

過去も未来も同じ地図上に同時に存在しているのが分かるでしょう?

体から自由になると、過去も現在も未来も関係なく、

あなたが意識したところに存在することができるのは、そのためです。

ま、肉体を持っていても眠っている間は、意識が自由になるので、5次元の世界に帰ってきて

ちょうど今のあなたのように地図を確認しているんですけどね。

起きたら忘れるけど。

でも、眠っていてもこちらの世界で見た記憶は、

その片鱗があなたの潜在意識には残っています。

だから、何度も同じイメージが浮かんできたり、

直感で行くべきところ、会うべき人がわかったりして、

知らないうちに、必要な場所に行って、会うべき人に会っているんですよ。」

「なるほど・・・。導かれているような気がすることもあったけれど、

それって寝ている間にこの地図をちゃんと確認していたのね」

「はい、そうです。この一枚の地図だけじゃなくて、

ここにある全ての地図を確認することができたので、

あなたは無意識のうちに、これだけの地図から

自分の人生を選んでいたことになります。」

私は、信じられない思いで、レイの横に積み上げられた運命の地図の山をじっとみつめた。

「つまり、この私の人生には、これだけの可能性があったということね?」

「そうです。その通りです。」

レイの横に積まれた地図を見ながら私は、

他の人生だったらどんな人生になっていたのか、

改めて運命の地図を全部確認してみたいと思った。