命の約束 第三章 戦いの終わり(3)癒された木

スピリットファースト

プロローグ (1) (2)

第一章 人生の終わり
(1)2013年2月25日 早朝
(2)夢の中で・・・
(3)朝起きると死んでいました。
(4)死神?
(5)死んでも死なない?
(6)葬式の日
(7)生まれ変わっても一緒になりましょう

第二章 本当の終活
(1)神様って本当にいるの?
(2)運命の地図
3)生まれる前に決めてきたこと
(4)運命の地図が教えてくれること
(5)自分の最期を選択する
(6)地図を移行するチャンス
(7)愛の奇跡

第三章 戦いの終わり
(1)憎しみを引き受けてくれた人
(2)傷だらけの木

第三章 戦いの終わり

癒された木

 

どれくらいの時間、そうしていたのだろう? どうやら私は、泣きながら眠ってしまったらしい。

温かい太陽の光が辺りを照らし、木漏れ日から降り注ぐ揺れる光に起こされて、私は目覚めた。

泣くだけ泣いた私は、これまでにないくらいスッキリしていて、この人生で一番気持ちがいい目覚めだった。

木の下で横になっていた私は体を起こして思いっきり背伸びをした。

ふと辺りを見渡すと、見覚えのある景色だ。

いつのまにか私は自分の心の草原に帰ってきたようだ。

振り返るとそこには、私の木が左右対称の枝を伸ばして、ピーンと天に向かって真っ直ぐに伸びていた。

そして、目の前に立つその自分の木をみて、私はビックリした!!

 

「き、傷がなくなってる!!」

 

あれだけ身体中にあった傷が、綺麗に癒えて、無くなっていたのだ。

木は生き生きとして、枝葉を風に揺らし輝いている。

木漏れ日が暖かく、美しい。

 

「綺麗に癒されましたね」

スッと木の影からレイが現れて、嬉しそうに言った。

「あの人の木は?」

私は、とっさに姑の木が気になってあたりを見回した。

「癒されていましたよ。あなたの木と同じ様に。

あれから、体調も戻ったみたい。あんなに苦しんでいたのに、復活して、施設に戻ったみたいですよ。」

「そう。それは良かった。もう少し、生きることを選んだのね。」

「そうですね。まだ、死ねないんです、あの人は。お役目が残っていますから。」

「そうなんだ。それもすごいね。」

 

なんだか、あんなに憎かった姑が不思議と同士の様に思えて不思議だった。

残り少ない人生を最後は幸せに満たされて終えてほしいと思った。

目の前の草原を見渡すと、地平線の空まで雲が消えて世界がパーっと明るくなり、草木が太陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。

 

「ここは、私の心の草原だよね」

「そうです。あなたの世界ですよ。

彼女の心の草原でも雲が消えて太陽が輝いていました。気になります?」

「そうね。彼女の世界も、こんな風に明るく暖かくなっていたらいいな、って思う。」

不思議と心からそう思える私がいた。

どうやら、戦いは終わったらしい。

「太陽がやっと、顔を出してくれたんだね。」

私がそう言うと、レイは嬉しそうにこう言った。

 

「心の草原を照らすあの太陽が、あなたの魂なんです。

太陽は、ずっと輝いていたんですけどね、

自我の木が傷ついて、戦いの中で不安と恐れに支配されていたから、ずっと分厚い雲がその光を遮ってたんです。

戦いが終わったから、雲が晴れて、やっとその姿がみえました。

やっぱり、太陽はいいですねー。真に美しきものです。」

「それに温かいね。気持ちが緩んで幸せな気持ちになる。安心する。」

 

晴れやかな草原を見渡すと、白や黄色やピンク、薄いブルーの花が一面に咲いて風に揺れていた。

遠くには、湖があって空の青を映している。

深呼吸をすると爽やかな風に肺が満たされた・・・。

あ、体はないから肺もないか。でも、そんな感じの爽快さだった。

 

「美しい景色だね。お花も綺麗だし、爽やかだし、静かで落ち着く。

なんだか幸せだ。穏やかな幸せっていうのかな。

まるで天国にいるみたい。ここにこうして存在できている事が幸せだな、って思う。」

「そう、それは良かった! まさに天国ですね。」

レイは優しく笑って、そして、思い出したように突然マニュアル書を取り出して、何やら探し出した。

「あ、これ、今のあなたにぴったりです。」

そう言って、レイは突然、神様のメッセージを読み上げた。

*******************************

【ただ、共に在れ】

汝、己のすべてとただ共に在れ。 

嵐は過ぎ去り、陽がまた輝くことを信じよ。

すべては、汝が奥の陽の輝きを

解き放つためのものなり。

汝、我を超えて、真の幸福を己の中に見つけよ。

真の幸福は、ただの一度も汝の中より消えうせしことはなし。

いついかなる時も、汝と共に在り、

汝の帰還を待っている。

*******************************

「ここが、帰還する場所?

太陽が私の魂なんだとしたら、全ては魂を解き放つためのものだったってこと?」

「そうですよ。ここがあなたの帰ってくる場所。あなたの天国です。

そして、あの太陽があなたの魂で、あなたの真の幸福であり、愛であり、恩恵です。

その魂を解き放つために、全てのことが起こっていたのです。

この心の草原は、生きていようが死んでいようが、変わらずあなたの中に存在します。

だから、いつでも帰ってくることができる場所なんです。」

「そうなんだ。生きている時も帰ってこれたんだ。知らなかった。それ、みんなに教えてあげたいね。」

「そうですね。そのうち、教えてあげましょう。地図の上のみんなにも。」

レイは、嬉しそうにそう言って、立ち上がった。

「せっかくここまできたから、もうちょっと先まで行ってみませんか?

あなたの心の更にずっと奥の方にある素敵なものを、見に行ってみようと思うんですけど。」

「え。ここからさらに、深く入っていくの?

もう、あんな苦しい思いをしなくても、行ける?」

「そうですね・・・。それはお約束できませんが、これは、いずれ通らなきゃならない道なんで。

早いほうがいいかな、って思います。」

レイは、そう言うと、草原のずっと向こうにある教会のような建物を指差した。

「ほら、あそこに、あなたの神殿への入り口があります。

あそこは、あなたの中にある、一番神聖な領域に続く入り口なんです。

行ってみたくはないですか?」

「私の中の一番神聖な場所? ここよりも?」

「そうです。ここよりもずっとずっと神聖な場所です。

その神聖な場所は、恐れや不安や病さえも侵せない領域です。

いわば、あなたという存在の源でもあります。まさに一番神聖な場所です。」

私は、迷わず叫んだ。

「行ってみたい! 絶対行きたい! 私の中に、そんな場所があるのなら!」

「ですよね! やっぱり!」

レイは、嬉しそうににっこり笑ってくるりと身を返し、その建物に向かって歩き出した。

私も、急いで立ち上がって、その後に続いた。

 

メンタル・ライフコーチ 大津 真美

301 views

長崎大学教育学部小学校教員養成課程(教育心理学専攻)卒業後、福岡県久留米市内の精神科病院にて心理士として一年半勤務。その後、セラピストとして10年活動しイン...

プロフィール

7日間無料メールコーチング

心と体と魂を解放する♥
7日間無料メールコーチング♪ 
読者登録フォーム
お名前(姓名)
 
メールアドレス

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。