命の約束 第二章 本当の終活(7)愛の奇跡

スピリットファースト

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第一章 人生の終わり
(1)2013年2月25日 早朝
(2)夢の中で・・・
(3)朝起きると死んでいました。
(4)死神?
(5)死んでも死なない?
(6)葬式の日
(7)生まれ変わっても一緒になりましょう

第二章 本当の終活
(1)神様って本当にいるの?
(2)運命の地図
3)生まれる前に決めてきたこと
(4)運命の地図が教えてくれること
(5)自分の最期を選択する
(6)地図を移行するチャンス

 

第二章 本当の終活

7 愛の奇跡

 

無事に、運命の地図の移行に成功した私たちは、二人が乗った車を手を振って見送った。

手元にある地図を確認すると、私は、ちゃんと

自分が望んだ主人と結婚する運命の地図上を歩いていた。

 

「よかった!ちゃんと移ってる!」

ホッとしてレイを見ると、レイはすぐに、

他の地図の山をまた両手のひらの上に呼び戻してこう言った。

「ちょっと、これを見てください。」

「空中」に地図の山を置いたレイは、その山積みの地図の中から何枚かの地図を取り出すと、重ねてすかしてみせた。

地図は、ところどころで重なっているポイントがあった。

どうやらそのポイントが、新しい運命の地図への入り口らしい。

その移行ポイントは、地図のいたるところにあった。

それぞれの地図が、至る所でそのポイントを共有していて、

なるほど、選択によっていろんな地図を行ったり来たりするという意味が一目でわかった。

でも、その移行ポイントは、メインロードから、少し外れたところにあるのが、ほとんどだった。

「これって、メインロードをぼーっと歩いていたら、見落としちゃうね。」

「そうなんですよ! 生まれてくるときに決めてきた地図に戻ったり、

寝ている時にこちらの世界に戻ってきて選びなおした地図や、

もしくは死んでから選び直した最幸の結末の地図にたどり着くには、

そのメインロードを離れて、これまでとは違う選択をする必要があるんです。

だから、こっちだよ、って僕たちで誘導するんです。

なのに、みんなその導きに気づかずに、移行ポイントを通り過ぎてしまうんです。

何度も何度も、こっちだよって、キーワードを送ったり、ヴィジョンを送ったり、

あなたみたいに自分自身の心に語りかけたりして、

あの手この手で導いていのに気づかない。

僕がやったみたいに、ガイドがちょっとしたシンクロも起こしても、

ただの偶然、たまたまだって言って、素通りしちゃうんです。」

「それはなぜかというと、心からそんな声が聞こえてきたとき、

地図上のメインロードを歩いている彼らは、怖くなってしまうことが多いからなんです。

それは、幼い頃から刷り込まれた親や学校や社会の価値観や情報を正しいと鵜呑みにしているから、

自分の心の声を信頼できなくなっているからなんですよ。

他人任せの選択によって、生きたい運命の地図から大きく外れてしまっていることもあります。

ぼくたちも一生懸命導いているのだけれど、

他人に主導権を渡してしまっている人は、

なんとなく歩いている今いる地図のメインロードから外れないようにって、みんな慎重になりすぎているから、

ほとんどの人が自分の心の声もぼくらの起こすシンクロも無視するんです。

自分の心の声よりも、人にどう思われるかとか、みんながこうしているからとか、

親がこういうからとか、他人の声や世間の声に翻弄されているんです。」

「本当は、すべてパーフェクトに導かれていて、完璧に起きるべきことが起きていて、

もっともっと素敵な出会いやワクワクする楽しいことや素晴らしいものが未来に用意されているのに、

彼らは、目の前の人やモノにこだわりすぎて、周りが見えなくなってしまって、

道のいたるところにあるギフトに気づかなかったり、

僕たちが注いでいる愛に気づかなかったりします。

そして、不本意な人生を送っていると人生を恨むのです。

自分がその人生を選んでいるのに。

時には、最初になかったシナリオを自分で作り出して、

恐ろしくて不幸な道をその地図の上に作り上げることもあります。

それで、その恐ろしい道を嘆きながら歩いて行くんです。

すると、そこで迷子になってしまって、ぐるぐると同じ所を回って迷路を作り出しちゃって、

そこから抜け出せずに、その中で途方にくれるんです。

そして、『私の人生、どうせこんなもんだな。』なんて人生を半分諦めて過ごしている。

何もかもうまくいかないって思って絶望してしまうこともあるんです。

そうなると、僕たちも苦戦しちゃうんですよね。

そうなるとみんな、人生に心を閉ざして、

自分の人生なのに、自分ではもうどうすることも出来ないって信じ込んじゃうから、自分で動こうとしなくなるんです。

なかなか動いてくれないから、時には、一見不幸に見える出来事を起こさなきゃならないこともあります。

心の声に耳を傾けてもらうためにね。

それで、迷路から救い出して、本来の最高の運命の地図への移行ポイントまで誘導するんです。

すごい回り道になっちゃうから、本当に苦労するんですよ。

でもまあ、結局最後はうまく行くんですけどね。私たちがついているから・・・。

でも、もうちょっと素直になって欲しいなって思います。

そしたら、もっともっと楽に人生の目的を果たせて、幸せな人生を送れるのに!」

「そっか。私たちは、目の前のことで精一杯だったけど、

上では、それだけ全力で応援してくれてる人がいたんだね。

そんなこと、思いもしなかった。

私も、きっと、かなり心の声を無視してたんだろうな。

そんな見えない世界のことなんて全然知らなかったから。

でも、あの時は、心の声になぜか逆らえなかった。」

「それだけ、あなたの思いが強かったっていうことです。

どうしても、何が何でも、旦那さんに出会わなければならなかったんですね。

それは、娘さんたちのためでもありますしね。でもですね・・・。」

 

レイは、そう言いながら、もう一度、主人と出会うことになった運命の地図のさっきの移行ポイントを指差した。

「ほら見てください、移行してきた地図のここ! バスに乗り遅れたところ。

道が二つに分かれているでしょ? なぜだと思いますか?」

「あ、本当だ・・・。あ、あれ、こっちの道は・・・」

「そう、彼が通りかからなかったら・・・。あなたは、こっちの道を行っていました。

それは、彼が約束を忘れていたり、彼が自分自身の心の声に蓋をして聞いてくれていなかったり、

または、そもそも、あなたと出会う運命の地図を選ばなかったとしたら、

彼が、あの時あそこを通りかかる事はなかったわけです。

そしたら、あなたはこちらの道を行くことになっていました。

そして、ほら、ここの行き止まりのところで、他の地図に移行することになっていたんです。

まあ、タイミングが合わなかった時のために、

出会うためのポイントは、他の地図にもいくつか用意してあって、

そのために、運命の地図をいくつか移行しないといけなかったり、

時間がかかったりする事もあるんですけど、

そもそも、あなたと出会わない運命の地図を彼が選んでいたら、

どの地図に移行しても彼と出会う事はなかったっていうことです。

この奇跡、わかりますか?」

「・・・それって・・・」

「相手が、どんな人生を選ぶのか、コントロールする事はできません。

彼だって、この人生が終わってから、ガイドがついてあなたのようにたくさんの運命の地図を見せられるんです。

もっといい人生、もっと楽しい人生を選んでいたかもしれません。

結婚相手だって、違う人を選んでいたかもしれないんです。

そういう運命の地図もあるのですから。

どんな最期を選ぶのか、誰と出会う運命を選ぶのかは、彼の自由であって、

それが彼の幸せだからそれを邪魔することは誰にもできないんです。

彼が選ぶことが全てなんですよ。

だから、もし、彼があなたと出会う運命の地図を選ばず、ここで彼と出会わなかったなら、

あなたは、こちらの道をまた違う出会いを大切にしながら進む必要があったし、

そちらの道でちゃんと幸せになるように僕もガイドをしていました。

素敵な結婚相手や素敵な最期は、まだまだたくさんありますからね。

そんな時は、彼と出会う運命の地図は消えちゃうので、

また新しい最高の結末をあの山積みの地図の中から、あなた自身に選び直してもらって、

それでまた、二人であなたの人生をガイドしていくことになるところでした。」  

 

私は、そこまで聞いてハッとした。

なぜ夫にあの言葉をどうしても伝えたかったのかがわかったのだ。

「生まれ変わっても、また一緒になりましょう」

あれは、違う人生での話ではなかったんだ。

この人生を二人で歩めるように未来の彼に送ったメッセージだった。

私はまた彼に私とのこの人生を選んでほしかったのだ。

だから、あの言葉を伝えたのだ。

 

レイは、さらに続けて言った。

「だからこそ、これだけは言っておきたいんです。

ここで、彼と出会えたってことは、

あなたが彼と出会うこの地図を選んだように、

彼もあなたと出会う運命の地図を選んだのだということ、

彼だけでなく、これから生まれてくるあなたの娘さんもあなたと出会う運命の地図を選んだということを。

それは、あなたがあのとき、みんなを愛しているから選んだように、

彼らもあなたを愛しているから選んだのだとわかってほしいんです。

これは、奇跡なんですよ。

愛するが故に起こる愛の奇跡なんです。

旦那さんや娘さんだけじゃない。

あなたの人生に登場する人は全て、

あなたと出会うことを選んでくれた人ばかりなんです。

それを、忘れないでください。」

私は、レイの話を聞きながら震えた。

ともに歩む人生を選んだ奇跡が、どれだけのものなのか、

あの膨大な数の地図を思い出すと足がすくむくらいだった。

私が、みんなと出会う人生を選んだように、みんなも私と出会う人生を選んでくれたんだ。

私はもう一度生き返ってみんなを一人一人ハグしたい気持ちだった。

ああ、なんで生きている時に、もっとハグしておかなかったのだろう。

もっと、愛していると伝えておかなかったのだろう。

そんな気持ちでいっぱいになった。

 

私は、愛の表現方法を知らなかった。

ハグをしたり、愛していると伝えたり、そんなこと照れ臭くてできなかった。

というか、愛していることとか、愛されていることとか、そんなこと考えもしなかった。

「愛」っていう言葉に嫌悪感さえあった。

胡散臭い感じ。

それよりも、何をしてもらっただとか、あれをしてもらえなかっただとか、

こう言われたとか、ああ言われたとか、こんな事された、あんな事された、

褒めてくれなかった、認めてくれなかった、わかってくれないと、不満ばかりだった。

イライラして、意地悪な言い方になったり強い口調になったりもした。特に家族に。

それで喧嘩になることもあったし、きっと、傷つけたこともあったと思う。

私もたくさん傷ついた。

でも、今思うのは、それでもやっぱり結局のところ愛していたのだ。

これは愛を知った今だから分かるのだと思う。

私は、みんなを愛していたし、自分の人生を愛していた。

今となっては、苦しかった事も腹立たしかった事も、悲しかった事も、全部ひっくるめて全てが愛おしい。

ただ、肉体を持っているときは、素直にそれを表現できなかった。

表現してないのだから伝わるわけないのに、

それでわかってもらえない、といじけていた。

きっと、お互いにそうだったのだと思う。

私たちは、それですれ違っていることがほとんどなのではないだろうか。

それで、人生を不幸にしている人がどれほどいるだろうか。

世の中の不幸は、ここが始まりなんじゃないかと、思ったりした。

 

「肉体を持って、地図の上にいると大切なことが見えなくなっているものね。

愛しているのに、いがみ合ったり、傷つけあったり、

つまらないことにこだわって、相手の全てを否定してしまう。」

「そうやって、こじれていく関係が悲劇を呼んでいますよね。特に親子間で。

何よりも悲しいのは、自分は愛されていない、自分なんている意味がないといって、自分の存在を否定してしまうことですよ。

もし、本当にそうだとしたら、あなたの人生には、自分以外誰も登場しないはずです。

もし、あなたが誰からも愛されていないとするなら、

あなたと出会うという運命の地図を選ぶ人がいないということでしょ?

誰とも出会わず、世界にたった一人なはずです。

でも、それってありえないでしょ?

今、目の前にいる人は、たとえどんな関係であったとしても、

あなたと出会うことを選んでくれた人で、

それは愛しているからこそ起こった奇跡なんです。

それを、生きているときに気づけたら、人はもっともっと幸せになれると思うんです。」

「目の前にいる人はみんな? 憎い相手も?」

「もし、出会った人の中で、あなたが憎んだ人がいるなら、

その人は何かしら理由があって、憎まれる役を買ってくれたんです。

それは、あなたの中の力を目覚めさせる為だったり、

何かに気づかせる為だったり、本来の道に戻す為だったり、

新しい道を切り開く為だったりするんです。

その役割を終えると、その人は目の前からいなくなります。

憎まれる役って、相当な愛がないとなかなかできないと思いますよ。

僕なら、絶対に請け負いたくない。そんな役割。

だけど、あなたの人生にその役が必要だったとして、誰かが引き受けなければならないのであれば、

それをきっと、その人は引き受けてくれたんです。愛を持って。」

「生きてるときは、なかなか理解しがたいね。それって。

死んだからこそ、なんとか受け止められるって感じ。」

私は、何人かの顔を思い浮かべながら、そう答えていた。

「それでいいんですよ。だから、こうして人生を旅して、終活をしているんです。

でも、人生を通して憎しみ合った人がいるなら、

その人がなぜ、その憎まれ役を引き受けてくれたのか知ってほしいです。

でなければ、また次の人生でもその役を誰かがやらなきゃいけなくなるから。」

「なんだか、怖いな。見たくないものを見ないといけない気がする。」

「そうかもしれないですね。

だけど、あなたへ向けられた愛を全部受け取ってほしいんです。

どんな形の愛でも、全部。

もし、それができたら、あなたはきっと自分のことも、人生も、その人のことも、

もっともっと愛おしくなると思うから。」

「私にそれだけの器の大きさがあるかどうか、疑問だけどね。」

「大丈夫。あなたにその器があるから、その人はその役割ができたんです。

でなければ、誰もその役を引き受けてはくれないですよ。

きっとあなたがこの人生でずっと引っかかっていたこともすっきり解決して、

今よりもっと身軽になると思いますよ。だから、ずっと引っかかっている人のところへ行ってみましょう。」

レイはそう言って、また目を閉じるよう促した。

私は、気が進まなかったけれど、この人生で引っかかっていたことがすっきりするよと言われて、心が動いた。

なんだ、何やらすっきりしないことがあるってことか・・・。

きっと見たくないものを見るんだろうな・・・。

そう思うと、ちょっと気が重くなった。

それでも私は、自分の人生に注がれた愛を全部受け取るために、

覚悟を決めてゆっくりと深呼吸し、静かに目を閉じた。

 

メンタル・ライフコーチ 大津 真美

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長崎大学教育学部小学校教員養成課程(教育心理学専攻)卒業後、福岡県久留米市内の精神科病院にて心理士として一年半勤務。その後、セラピストとして10年活動しイン...

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